2007年5月10日木曜日

ギムレット vol.2


テリーレノックスと私立探偵フィリップマーロは、ロスのとあるホテルのメインバーで決まってギムレットを飲んでいた。

テリーレノックスは開けたてのまだ空気が澄んでいるバーカウンターで言った。
「本当のギムレットはジンとローズ社のライムジュースを混ぜて作るものだ。」

この小説の著者レイモンドチャンドラーはイギリス生まれゆえに、星の数ほどあるカクテルの中から、このイギリス生まれのローズギムレットをテリーレノックスに飲ませたのでしょうか。

ある朝、フィリップマーロは妻を殺害したというテリーレノックスを国外に逃がすためにメキシコ国境沿いの町ティファナまで車を飛ばした。これからどんなトラブルに巻き込まれるかもしれないのに何故、フィリップマーロは彼のために危険を冒すのか?

二人は単に酒場でギムレットを一緒に飲むだけの中だったのだ。
「酒場で心地よく酒を飲める友は一生の内に何人出会えるだろうか?」ただそれだけの理由で命を賭けたフィリップマーロは数ヶ月後、これから自殺するというテリーレノックスからの手紙を手にした。

しばらくして、自殺の直前のテリーレノックスと一緒だったという男に会うとフィリップマーロは彼を一目見てこう言い放った。

「ギムレットには早すぎる。」

有名すぎるこの一言で物語りは終盤に向かい、すべての謎が解かれていくのである…
ハードボイルド小説の代表作と言われるこの「長いお別れ」は二人の友情をテーマにしていますが、これほどカクテルが効果的に演出されている物語は他にないでしょう。
皆様もたまには日常を忘れ、仕事を忘れ、昔の友を思いこのローズギムレットを楽しんでください。


Rose Gimlet / The Long Good-Bye
Gin 40ml
Rose Lime Juice 20ml
Lime Wedge

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